空き家の固定資産税は「壊しても」「置いておいても」上がることがある
2026年9月時点の内容です
そもそも「住宅用地の特例」で安くなっている
住宅が建っている土地は、固定資産税の計算のもとになる評価額が大きく減額されています。これを住宅用地の特例といいます。
- 小規模住宅用地(1戸あたり200㎡までの部分):課税標準が6分の1
- その他の住宅用地(200㎡を超える部分):課税標準が3分の1
つまり、空き家であっても建物が建っているというだけで土地の税金は安く抑えられている状態です。「6倍になる」と言われるのは、この6分の1の軽減が外れて元に戻ることを指しています。
パターン1:解体して更地にすると、翌年から軽減が外れる
建物を取り壊して更地にすると、その土地は住宅用地ではなくなります。1月1日時点の状況で判定されるため、年内に解体すると翌年度から軽減のない税額に変わります。
「解体費用を払ったうえに、翌年から税金も上がる」という形になるため、解体のタイミングは売却の見通しとセットで考える必要があります。売れる見込みが立つ前に先に壊してしまうと、更地のまま高い税金を払い続ける期間が生まれます。
パターン2:置いておいても、「勧告」を受けると軽減が外れる
2023年の空家等対策特別措置法の改正で、管理不全空家という区分ができました。これまでは倒壊の危険があるレベルの「特定空家」だけが対象でしたが、その手前の段階でも指定の対象になります。
軽減が外れるまでの流れ
- 市が現地を確認し、管理不全空家または特定空家と判断する
- 所有者に対して「助言・指導」が行われる
- 改善されない場合、「勧告」が出される
- 勧告を受けた時点で、住宅用地の特例から外れます
- 特定空家でさらに改善されない場合、命令・行政代執行(費用は所有者負担)に進むことがあります
いきなり税額が変わるわけではなく、指導・勧告という段階を踏みます。市から連絡が来た時点で対応すれば、勧告まで進むことは通常ありません。逆に、届いた通知を開けないまま放置することがいちばん避けたい対応です。
だから、判断の順番はこうなる
- 納税通知書で、今いくら払っているかを確認する
- 外まわりの状態を確認する(草木・塀・屋根)。市から通知が来ているなら、まず読む
- 売る見込みを先に立てる。解体はその後で決める
- 解体する場合は、市の補助制度の条件を確認する。申請は工事契約の前です
補助制度の条件は市によってまったく違います。当サイトでは市ごとにまとめています。金額は年度や工事内容で変わるため、市の公式ページでご確認ください。
よくあるご質問
空き家を解体すると本当に6倍になりますか?
土地の課税標準の軽減(6分の1)が外れるという意味ではその通りですが、税額がそのまま6倍になるとは限りません。理由は3つあります。①住宅用地でなくなった宅地には負担調整措置が働き、課税標準額には評価額の70%という上限があります。②200㎡を超える部分の軽減はもともと3分の1です。③解体した場合は建物分の税がなくなります。この①の負担調整があるため、実際は3〜4倍程度に収まることが多いというのが現場の実感です。なお勧告を受けて軽減が外れる場合は建物が残っているので、③は効きません。正確な額は市の資産税課で試算してもらえます。
市から「管理不全空家」の通知が来ました。どうすればいいですか?
まず通知に書かれた期限内に、市の担当課へ連絡してください。草木の伐採や塀の補修など、指摘された点に対応すれば勧告までは進まないのが通常です。対応が難しい場合、売却も含めて相談されると解決が早いことがあります。
誰も住んでいなくても住宅用地の特例は受けられますか?
空き家であっても、住宅として使える建物が建っていれば原則として対象です。ただし勧告を受けた場合や、建物が住宅と言えない状態まで壊れている場合は外れます。
税金のことも含めて、どうするのが損が少ないかだけのご相談で大丈夫です
荷物が残ったまま・登記が古いまま・長屋のまま、どんな状態でも大丈夫です。
「まだ売ると決めていない」段階のご相談も無料。しつこい営業はしません。
9時〜21時(土日祝も受付)/「空き家ヘルプを見た」とお伝えください
あわせて読まれています
藤尾 涼太(宅地建物取引士(大阪)第122075号)
八尾市を中心に、大阪・奈良・兵庫で空き家の売却と買取を担当しています。市役所や制度の内容は、公表資料の確認に加えて、必要に応じて各市の窓口に直接確認したうえで書いています。
- 運営
- 株式会社日本トータルプロデュース
- 所在地
- 大阪府八尾市南植松町5丁目182 日本TPビル
- 免許
- 宅地建物取引業 大阪府知事(2)第60824号
- 所属
- 公益社団法人 全日本不動産協会 会員
- 電話
- 072-990-6686(9時〜21時(土日祝も受付))
