空き家を売ると決めてから、お金が入るまでの流れと期間
2026年9月時点の内容です
全体の流れ
| 段階 | やること | 目安の期間 |
|---|---|---|
| 1. 準備 | 権利関係の確認、相続登記、書類集め | 1か月〜数か月 |
| 2. 査定 | 現地を見てもらい、価格と方法を決める | 1〜2週間 |
| 3. 媒介契約 | どの会社に、どの形で依頼するか決める | 即日〜 |
| 4. 売却活動 | 広告・内覧・条件交渉 | 仲介:1〜6か月/買取:不要 |
| 5. 売買契約 | 条件を確定し、手付金を受け取る | 1日 |
| 6. 引渡し・決済 | 残代金を受け取り、鍵と権利を渡す | 契約から1〜2か月 |
| 7. 確定申告 | 売った翌年の2月16日〜3月15日 | — |
1. 準備でやること
権利関係の確認
- 登記事項証明書を取る(法務局)。名義と抵当権を確認します
- 相続登記が済んでいるか。済んでいないと買主に名義を移せません。ただし売買と並行して進められます
- 相続人全員の意思が揃っているか。売却には共有者全員の同意が必要です
書類を集める
- 登記識別情報(権利証)。見つからなくても売れます(司法書士による本人確認で代替できます)
- 固定資産税の納税通知書
- 境界を示す資料(測量図、境界確認書)。ない場合は測量が必要になることがあります
- 建築確認済証・検査済証。ない場合も多く、なくても売れます
- 相続関係の書類(戸籍、遺産分割協議書、印鑑証明書)
現況を確認する
遠方にお住まいの場合、ここが止まりがちです。現地に行けなくても進められます。当社では、写真の撮影と状態の報告を代行しています。
2. 査定で見るべきこと
査定額は「この金額で売れる」という保証ではありません。会社によって出し方も目的も違います。
- 高い査定額を出す会社が良い会社とは限りません。媒介契約を取るために高く出し、後から下げる進め方があります
- 根拠を聞いてください。近隣の成約事例か、売り出し中の価格か。この2つは意味が違います
- 売れなかった場合にどうするかを聞いてください。期間と、その後の方針を先に決めておくと後で揉めません
査定を取るときにお願いすること
- 書面で出してもらう(相続人が複数いる場合は特に重要です)
- 仲介で売る場合と、買取の場合の両方の金額を出してもらう
- 手取り額で比較する(仲介手数料、測量費、解体費、税金を差し引いた後の金額)
3. 仲介と買取、どちらを選ぶか
| 仲介 | 買取(当社が直接買う) | |
|---|---|---|
| 価格 | 高い | 仲介より下がります |
| 期間 | 1〜6か月(読めない) | 数週間で確定できる |
| 荷物 | 原則として片付けが必要 | 残したまま可 |
| 傷み・修繕 | 買主から補修を求められることがある | そのまま |
| 内覧 | 必要(都度の立会いまたは鍵の預け) | 不要 |
| 仲介手数料 | かかります | かかりません |
| 契約不適合責任 | 売主が負います | 免責にできることが多い(ただし知っていて告げなかったことは免責されません) |
| 近所に知られるか | 広告を出すため知られます | 知られません |
取引の形について、先にお伝えしておきます。当社は、他の買主をお探しする(仲介)ほかに、当社が直接買主となって買い取ることもあります。買取は上の表のとおり利点がありますが、個人の買主に仲介で売る場合よりも価格は下がります。当社が転売して利益を出す取引だからです。
4. 媒介契約の3つの型
| 一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任媒介 | |
|---|---|---|---|
| 複数社に依頼 | できる | できない | できない |
| 自分で買主を見つける | できる | できる | できない |
| レインズ登録 | 義務なし | 7日以内※ | 5日以内※ |
| 報告義務 | なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
| 契約期間 | 法律上の制限なし(実務では3か月が通例) | 3か月以内 | 3か月以内 |
※レインズへの登録期限は、媒介契約を結んだ日の翌日から起算し、宅建業者と流通機構の休業日を除いて数えます。
5〜6. 契約から引渡しまで
- 売買契約:条件を確定し、手付金を受け取ります。重要事項説明を受けます
- 買主のローン審査(ローンを使う場合):1か月程度。売買契約に融資利用の特約(ローン特約)が付いていて、その期限内に否決された場合は白紙解除になります(手付金は返還されます)。特約の有無と期限は契約書で必ず確認してください
- 引渡しの準備:残置物の撤去、測量、解体など契約で決めたこと
- 決済・引渡し:残代金を受け取り、司法書士が登記を移します。金融機関で行うのが一般的です
7. 売ったあとの確定申告
売却した翌年の2月16日〜3月15日に申告が必要です。譲渡所得が出ていなくても、特例を使う場合は申告が必要です。
- 相続空き家の特別控除を使う場合は、市区町村の確認書が必要です。交付までに1〜2週間、市によってはそれ以上かかるため、申告直前では間に合いません
- 取得費が分かる資料(購入時の売買契約書)を探してください。ない場合は売却代金の5%を取得費とすることができます(強制ではなく、実額が分かればそちらを使えます)。5%で計算すると譲渡所得が大きく出るため、税額が上がります
- 相続税を納めた方は、取得費加算の特例と、空き家の特別控除のどちらが有利かを比較します
かかる費用
- 仲介手数料(仲介の場合):法律で上限が決まっています。買取では不要です
- 登記費用:相続登記、抵当権抹消など。司法書士報酬と登録免許税
- 測量費:境界が確定していない場合
- 解体費:更地渡しにする場合
- 残置物の処分費:片付けて引き渡す場合
- 印紙税:売買契約書に貼ります
- 譲渡所得税・住民税:利益が出た場合。特例が使えれば大きく変わります
これらを全部引いた後の金額が、実際に手元に残るお金です。査定額ではなく、この数字で判断してください。当社では、ご相談の段階で手取りの試算をお出ししています。
仲介で、時間をかけて売る
向いている人:急いでいない方、片付けができる方、内覧に対応できる方。手取りは最も大きくなる可能性があります。
注意点:期間が読めません。売れない期間も固定資産税と管理が続きます。内覧のたびに立会いか鍵の受け渡しが必要です。
買取で、時期を確定させる
向いている人:時期を決めたい方、荷物を片付けられない方、遠方の方、近所に知られたくない方。数週間で確定でき、そのままの状態で引き渡せます。
注意点:個人の買主に仲介で売る場合より価格は下がります。
まず仲介で出し、期限を決めて買取に切り替える
向いている人:高く売れる可能性も試したいが、いつまでも待てない方。「3か月で決まらなければ買取」と決めておく形です。
注意点:買取価格を先に確認しておかないと、切り替え時に交渉材料がなくなります。最初に両方の金額を出してもらってください。
よくあるご質問
権利証が見つかりません。
売れます。司法書士による本人確認情報の作成で代替できます。追加の費用がかかりますが、手続き自体は通常どおり進みます。
相続登記が済んでいませんが、査定はできますか。
できます。登記と売却の準備は並行して進められます。「登記が終わってから相談」と待たれると、特例の期限が近づいてしまうことがあります。
荷物が家財道具のまま残っています。
そのままで結構です。買取であれば残置物ごと引き渡せます。仲介の場合も、契約内容によっては残せることがあります。仏壇や貴重品だけ先に確認してください。
遠方に住んでいて、大阪に何度も行けません。
現地調査は立会いなしでできます。契約と決済も、持ち回りや代理人による方法があります。実際には一度も来阪せずに完了された方もいます。
近所に売りに出していることを知られたくありません。
買取であれば広告を出さないので知られません。仲介でも、レインズ登録のみで一般の広告を出さない方法があります。ご希望をお伝えください。
相談したら、しつこく営業されませんか。
当社からの催促のご連絡はしません。査定と条件をお伝えして、そのままお待ちします。半年後でも一年後でも構いません。
手取りの試算だけでも、お出しします
荷物が残ったまま・登記が古いまま・長屋のまま、どんな状態でも大丈夫です。
「まだ売ると決めていない」段階のご相談も無料。しつこい営業はしません。
9時〜21時(土日祝も受付)/「空き家ヘルプを見た」とお伝えください
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藤尾 涼太(宅地建物取引士(大阪)第122075号)
八尾市を中心に、大阪・奈良・兵庫で空き家の売却と買取を担当しています。市役所や制度の内容は、公表資料の確認に加えて、必要に応じて各市の窓口に直接確認したうえで書いています。
- 運営
- 株式会社日本トータルプロデュース
- 所在地
- 大阪府八尾市南植松町5丁目182 日本TPビル
- 免許
- 宅地建物取引業 大阪府知事(2)第60824号
- 所属
- 公益社団法人 全日本不動産協会 会員
- 電話
- 072-990-6686(9時〜21時(土日祝も受付))
